あなたは、老後の家族について考えていますか?
「漠然としか考えていないけれど、介護で困らなければいいなぁ・・」ぐらいの認識なのではないでしょうか?
老後、家族みんなで安心して暮らすためには、家族会議をするのがおすすめです。なぜなら、老後のことには家族みんなで共有しておきたい事柄がたくさんあるから。
家族みんな揃って会議をしていないと、「自分と親ではこれで納得していたのに、直前になって兄弟に反対された!」なんてことになり得るかもしれません。
この記事では、老後の家族、とくに親が元気なうちに聞いておきたいことを紹介しています。老後になって、家族で揉めてしまわないように相談をしておきましょう。
連絡先や葬儀に関することを聞く
正直なところ、親に資産や介護の話をするのは話しにくい、と感じる人もいるでしょう。そんなときは、親の連絡先など、話しやすい話題から入るのがおすすめです。
遺産相続や、葬儀にも関係してきますので連絡先を親子で共有しておくことは大切。連絡先は、カテゴリごとに分けておくと分かりやすいですよ。
連絡先を聞いた流れで、親が葬儀やお墓についてどのような考えを持っているのか聞くのもいいでしょう。
それだけではなく、お墓のある霊園や寺社とどんな付き合いをしているのか尋ねるのもおすすめですよ。
行いたい葬儀の規模や、参列者についても聞いておけばよりスムーズに話がすすみます。筆者の親も、親戚の葬儀に参列して思うことがあったのか「自分の遺影はこれにして欲しい」と連絡がありました。
このように、何かきっかけがあれば別ですがきっかけがないと話す機会がありませんよね。
このブログでは、墓じまいについて詳しく紹介しています。
- 墓じまいをしないとどうなるのか
- 実際にどんな流れで行われるのか?
このようなことについて解説しましたので、合わせてご確認ください。
親の資産、収支を知る
つぎに家族会議で話し合いたいことは、親が持っている資産や現在の収支についてです。親が持っている資産や収支を、家族全員で正しく共有することには非常にたいせつな意味があります。
とはいうものの、親として子どもに資産のすべてを把握されることはあまり良いと思っていないこともあるのです。
なぜなら、ある程度の貯えをもっていた場合「子どもにあてにされる」という不安があるから。
このような事情もあり、50代で親の資産を知っている割合は4割程度だと言われています。
親の資産を子どもが理解していないと、以下のようなリスクがあります。具体的に、このようなリスクがあると話して理解してもらうのもいいでしょう。
- 認知症(本人の意思確認ができなくなり)になり、暗証番号や銀行印などを忘れてしまう・・口座を凍結されたり、払い出しを拒否される可能性がある
- いざ相続の時になって、知らなかった資産が出てきた・・資産をめぐってトラブルが発生する可能性がある
親が認知症になってしまい、介護や手続きで忙しいときに予期しないトラブルが起こったらたいへんですよね。「子どもの立場である、自分も困ることになる」と説明をしてみるのもいいのではないでしょうか。
健康や住まいのことなどを聞く
お金のこともたいせつですが、健康や住まいのことも外せない内容です。
子どもは親に老人ホームへ入ってもらうことを考えていたのに、親は同居を望んでいた・・と、いざその時になって意見が違うと知れば困ってしまいますよね。
意見の食い違いを起こさないように、親が元気なうちに把握しておきましょう。
まずは、親の健康状態について聞いておくことをおすすめします。
- かかっている病気
- 飲んでいる薬
- かかりつけ医は誰か
最低でも、上記のことについて聞いておくと安心です。
住まいの希望についても聞いておきましょう。今の住まいで困っていること・・たとえばバリアフリー面などで不便なことはないか?リフォームが必要でないか?などを尋ねます。
将来的に、今の住まいに住み続けたいかどうかも聞いておくことをおすすめしますよ。
合わせて、介護について以下を確認しておきましょう。
- 在宅を希望か
- 同居を希望なのか
- 老人ホームなど施設に入居するのか
介護については、有料老人ホームに入居する以外にもサービス付き高齢者向け住宅に入居するという選択もあります。
以下の記事では、サービス付き高齢者向け住宅について、初心者でも分かりやすく解説しているので合わせてご確認ください。
兄弟に老人ホーム入居が反対されたら
あなたが、親に老人ホームへの入居を望んでいても兄弟が反対する場合もあります。
親の近くにいる子どもと、親から遠く離れた場所に住んでいる子どもとでは介護への認識も随分変わるのです。
そこで、家族会議が重要になります。家族会議には、「家族みんなを巻き込んで親の老人ホーム入居について話す」という役割があります。
できれば、家族みんなで老人ホームの資料を見たり施設を見学できたりするのが望ましいですね。施設や、生活を近くで見てもらい悪くないことであると理解してもらうのがいいでしょう。
また、家族会議によって同居など、老人ホーム以外のことも相談されるかもしれません。
しかし、親と同居することは少しためらってしまう子どもも少なくありません。同居ではなく、近くに住む近居という選択も。
このように、自分1人だったら考え付かないことも家族みんなで会議することによって視野が広くなることもあるのです。
「同居なんて、現実的じゃない。老人ホームに入ってもらわないと・・」と、1つの考えに固執するのではなく家族に相談してみるのはいかがでしょうか。
実家のリフォームでしておきたいところは?
「健康や住まいのことなどを聞く」の項目にて、リフォームは必要かそうでないか聞いておくと良いと説明しました。
ここでは、実家をリフォームすることになった場合にしておきたいところを解説します。
「今後も実家で暮らしたい」両親の意思がこのような場合、高齢になっても住み続けられるようなリフォームが必要です。
高齢者の事故の多くは、自宅で発生していることをご存知ですか?高齢の両親が住み続ける家をリフォームするさいのポイントは、以下の通りです。
- 床や玄関などの段差をなくす・・およそ2万から15万程度。施行方法により、費用に差が出る
- 浴槽に手すりを設置をする・・およそ2万から2万3千円程度
- 階段があるのならスロープを設置する・・およそ40万から50万程度
加えて、扉を引き戸に変更したり廊下の幅を広げたりすることも、時には必要かもしれません。
また、長年住んでいる場合耐熱や耐震の性能が弱くなっている可能性があります。そのため、これからも住み続けたければこれらの改善をするリフォームも視野に入れましょう。
将来のことを見据えながら、必要な部分をリフォームしていくことにより長く住める住まいになるのです。
まとめ
親が元気な間に、家族で話しておきたい内容について紹介しました。家族を安心させるためには、家族みんなで情報を共有するのがおすすめです。
日常のいろいろなところに、話のきっかけがあります。最近はとくに、新型コロナウイルスの動きが読めなかったり、介護が問題で起こるニュースなどがあるので話しやすいですね。
将来のことを話しておけば、いつかきっと「あのときちょっと勇気を出して良かった」と思える日がくるでしょう。