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「同居」や「二世帯住宅」と聞いて思い浮かぶのは、若い夫婦がシニア世代の両親と暮らすケースではないでしょうか?

しかし、最近は多様化しているので必ずしもその通りではないのです。

老々介護問題が深刻な現在、シニア世代が80代の親と同居しているケースも少なくありません。

とはいうものの、完全に同居するのは不安という方も多いことでしょう。

ここでは、選択肢の1つに二世帯住宅が挙がっている方のために、二世帯住宅のメリット・デメリットを紹介します。

二世帯住宅のメリットとは

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住んだことの無い方には、二世帯住宅のメリットがいまいち分からないのではないでしょうか?ここでは、メリットを紹介します。

二世帯住宅のメリット
  1. 介護で通う負担を減らせる
  2. 家族が近くにいる安心感がある
  3. 犯罪を防ぎやすい

親世帯の介護が発生したときに、遠くまで通うなら負担が大きくなります。しかし、二世帯住宅で一緒に住んでいると見守れる安心感や通う負担が減らせるメリットがあるのです。

介護以外でも、家族が近くにいる安心感はありますよ。親世帯・子世帯共に病気にかかったら家事を頼めます。親世帯が寂しさを感じにくいと、子世帯としても安心できるものです。

高齢者を狙った詐欺が多く発生していますよね。しかし、高齢者以外の世帯がいることで犯罪の防止に繋がるのです。部分共用型なら、共用スペースがあるので家族のちょっとした異変にも気づきやすいメリットがあります。

そのような理由から、ほかの住宅と比較して二世帯住宅は空き巣被害が少ないと言われているのです。

住宅に住む人数が増えることにより、家が留守になる時間が減るのも二世帯住宅の特徴ですね。とはいうものの、そういった安心感につけこまれて空き巣の被害に遭う可能性がないとも言い切れません。

二世帯住宅のデメリットとは

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二世帯住宅を検討するなら、デメリットも確認しましょう。

二世帯住宅のデメリット
  1. 生活リズムが異なるため気をつかう
  2. お金のトラブルが深刻になるケースもある
  3. 価値観の違いなどでトラブルに繋がる

二世帯住宅で注意したいポイントは、一緒に住むのは世代の異なる人という点です。

親世帯は、早寝早起きをしていても子世帯は遅くまで起きているケースも多いでしょう。お互いが扉の開閉時に出る音を気にするので、気をつかいながら生活することもあります。

仲の良い友人も、気軽に家へ呼びにくいかもしれません。リビングを共有スペースにしている場合、特に気をつかう必要があります。

二世帯住宅は、お金のトラブルが発生しやすいことも覚えておきたい内容の1つです。

親と相談して二世帯住宅を建てたけれど、親が亡くなった後に兄弟と相続関係で揉めてしまって亀裂が入ってしまうケースがあります。後から、二世帯住宅を建てる場合は一緒に住む家族以外にも相談をするべきだった・・と後悔しても遅いのです。

光熱費を折半すると約束したとしましょう。

でも、シニア世代はまだまだ働いている人も多いです。それはつまり、親世帯よりも家を空ける時間が長いということ。光熱費のほとんどを親世帯が使っているので、後になってから「折半は納得がいかない」と感じることもありますよ。

屋根の修理が必要になった時に、1番上の階に住んでいる家族が修理の費用を全て払うことになり、修理費用の話し合いをしていなかったことを後悔した例もあるのです。

二世帯住宅で失敗しないためのポイント確認

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失敗しないためのポイント
  1. 最適なプランを提案してもらうこと
  2. ルールを決めておくこと
  3. 将来まで見据えて考えること

最適なプランを提案してもらうこと

家族ごとに、それぞれに合った間取りは異なります。二世帯住宅に詳しいハウスメーカーへ依頼し、自分たちに合った最適なプランを提案してもらいましょう。

二世帯住宅は、一般的な住宅とは異なり注意する点がたくさんあります。

  • プライベート空間について
  • 共有部分と独立部分のバランスや費用
  • 介護を見据えてバリアフリーを考える
  • 世帯ごとの収納スペースについて
  • 生活スタイルの違いによる配慮

少し考えただけでも、これだけあるのです。一般の住宅にはない配慮が必要ですから、二世帯住宅の実績が豊富なハウスメーカーに依頼してください。

自分達の理想を実現するために、担当者のコミュニケーション能力のチェックも欠かせません。

両方の世帯の言い分を上手く聞き取りながら、分かりやすくイメージを見せてくれる実績の豊富な担当者を選びましょう。

ルールを決めておくこと

お伝えした通り、二世帯住宅ならではのトラブルが発生するケースがあります。二世帯住宅に対する家族間のルールを決めておきましょう。

二世帯住宅は、大きく分けて「それぞれの家族が独立して暮らす」パターンと「1つの家族として共有しあって暮らす」というパターンになります。お互いに、どのような生活がしたいのか話し合って設備・間取りを決定してください。

たとえば、以下のようなルールを具体的に決めます。

  1. それぞれのプライベートは守ること
  2. 朝食は別々に作るが、夕食は一緒に作る
  3. 光熱費はそれぞれメーターを分けて支払う
  4. 訪問のさいは、事前連絡が必要である

ルールを具体的に決めれば、後になってから「決めておけばよかった」と考えることもなくなりますよね。

将来まで見据えて考えること

二世帯住宅を建てるなら、10年先などの将来を見据えて考えるのがおすすめです。

親世帯が老人ホームに入ったり、亡くなったりすれば子世帯だけで住むことになります。このようになったさいに、親世帯が使っていた部分をどのように使うかを考えるわけです。

完全分離型の二世帯住宅は、賃貸として出すことができます。

部分共用型では、利用する世帯が減ると空きスペースができるのです。空きスペースができたときに、リフォームすることを考えておくのもいいでしょう。

設計する段階から、将来まで見据えて二世帯住宅を選ぶようにしてください。

二世帯住宅には種類がある

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少しお話しましたが、二世帯住宅には種類があります。ここでは、3つの種類を紹介します。

  1. 完全同居型
  2. 部分共用型
  3. 完全分離型

どのような特徴があるのでしょうか?

完全同居型

空間・設備をすべて共用するスタイル。

メリット・・設備をいくつも用意しなくて良いため、リビングを広くしたり費用の削減をしたりができる。
デメリット・・各世帯が顔を合わせる機会が多く、プライベートが少ない。生活スタイルが違えば、ストレスになる可能性が高い。

部分共用型

住宅の一部分を共用しつつ、それぞれの部屋はプライベートで持てるスタイル。一部共有型と呼ぶこともある。

メリット・・共用したい部分を自由に選択できる。共用する部分を増やせば、建築費用も削減できる。
デメリット・・後になってから共用部分の変更が難しい。生活スタイルが違う場合、生活音への配慮が必要。

完全分離型

それぞれの世帯が、完全に独立して生活するスタイル。

メリット・・部分共用タイプと比較して、生活スタイルが違う場合でも配慮をそれほど気にしなくて良い。
デメリット・・親世帯、子世帯両方に設備が必要なため費用がかかる。設備が多くなるので、その分スペースが必要となる。相手の暮らしぶりが分からないということが、時として不安になることも。

二世帯住宅についてきちんと調べるまでは、こんなに種類があると知らなかった方も多いことでしょう。筆者も、そのうちの1人です。

まとめ

二世帯住宅のメリット・デメリットを紹介しました。

建てる時に素人には思いつかない配慮も必要ですから、経験の多いプロの知恵が必要なのです。

また、住む前に細かいルールを決めておくと、後で揉めたり後悔したりすることを減らせますよね。

メリット・デメリットや種類をしっかり理解して、お互いの家族に合った二世帯住宅を建ててください。

あなたの、これからの生活がより良いものになりますように。