「将来は海外で暮らしたいねぇ」と冗談交じりで口にされた方もいるでしょう。海外移住はアーティストや文化人など一部の人がするものと思ってはいませんか。決してそのようなことはなく、セカンドライフの拠点を海外にされている方は多くいます。
いや、そうは言っても海外移住となれば、簡単にはいかないだろう感じる方が大半かもしれませんね。確かにそうです。日本より物価が安い、住み心地が良いなど移住の理由は様々ですが、海外移住には幾つかのハードルも伴います。
しかしながら、自分とは別世界と思っていた海外で過ごす日々をイメージしてみてください。ちょっと、ワクワクしてきませんか。「じゃあ、海外移住ってどうするの」と感じてきた方、既にファーストステージはクリアしています。
ここからは、シニアライフを海外で過ごしたい方へ準備や心掛けることを紹介していきます。
欠かせない下準備
海外移住に際しての下準備、クリアしておく事柄と言い換えても良いでしょう。まず必須となるのが語学力です。日本語を使わない国へ移るわけですから当たり前のことですね。
多くのビジネスシーンで用いる英語が全くできないという方は少ないと思います。移る先が英語圏ならば大きな心配はありませんが、そうでない場合に意思の疎通など様々な問題が生じます。
その為、現地における最低限の語学力は必要です。移住は観光旅行とは異なりガイドもいません。また、ずっと身振り手振りだけで暮らすには無理があります。くわえて、日本人お得意の表情や空気を読んでの対応も海外で通用しないことも心得ておくべきでしょう。
ただ、このハードルを殊更むずかしく考える必要はありません。最低限の語学力を身につければ良いだけのこと。都会であれば多くの語学学校があるはずです。仮になくても現代は情報化社会、ネットを利用した勉強方法もありますね。
クリアするべき事柄として欠かせないのが、家族や親類の賛同を得ることでしょう。心置きなく送り出してくれるのが理想ですが、色々とむずかしい側面があることも確かです。シニア世代ともなれば、親の介護や相続の問題が発生する方も少なからずいるでしょう。身内すべてが移住に理解を示すことはないかもしれません。ただ、少数でも良いので国内で力を貸してくれる理解者を作っておくことを心掛けるべきです。
海外移住のメリット
下準備やハードルはありますが、海外移住にはそれを補うメリットがあります。まず国際的な感性を身につけることは、プラスにこそなれマイナスになること少ないと言えるでしょう。日本人の感性が劣っていることは決してありませんが、国際的視野に立った場合、国内に身を置いているだけでは理解できない感覚を知ることができます。
また、母国以外の国で生活できるスキルを得るメリットも海外移住にはあります。国際社会に貢献している(し過ぎている?)日本の水準が現状のままとは限りません。そのような事態になった時に慌てることのない術を持っていることは、生活リスクの回避にも繋がるのです。
国際的感性でも触れたことですが、海外での生活はそれまでの視野を広くさせます。つまり、人生経験の豊かさに結びつくわけです。豊かな経験は人を魅力的にさせるもの。同世代の方の中でも含蓄のある発言ができるのではないでしょうか。
好奇心を満たし刺激を受けることもメリットの一つと言えるでしょう。もしかすると、これが海外移住における最大のメリットかもしれません。年齢を重ねていくと多くの人は気力や体力が衰えていくものですね。
それまでに経験したことのない環境は、人に刺激を与え活力を生み出していくものです。海外移住はある意味冒険に挑むようなもの。勿論、移住を決意した時点でも見事な冒険心と言えますが、実際にその地に立った時には想像を超えるような刺激的な日々が送れるはずです。
海外移住のデメリット
残念なことにメリットがあればデメリットもあるのも世の定め。それでは海外移住におけるデメリットとはどのようなものでしょうか。ホームシックとは言い難いのですが、孤独感に参ってしまう方もいるようです。
刺激的な環境ではあっても周りは異国の人だらけ。当たり前と言えばそれまでなのですが、住み慣れた所を離れたストレスとは大きなもののようです。
当然ながらこれまで親しんだ日本式サービスも海外にはありません。医療面において保険が適用されないケースは多々あります。風邪やインフルエンザなどは基本的に自己免疫力での勝負が要求されますし、歯の治療に至っては高額請求を覚悟しなければなりません。
買い物においても同様、日本より物価が安いといっても常に安定した供給が約束されているわけではないのです。郷に入っては郷に従えを覚悟しておくべきでしょう。
永住ビザは別ですが、期間ごとのビザ申請もストレスが溜まります。移住する為には欠かせないことですが、費用は勿論のこと用意する書類など手間がかかります。また、申請が通るかという不安もあるのでプレッシャーの覚悟も必要です。
まずはロングステイからはじめよう
海外に身を置くことのメリットは分かったが、いきなり移住はという方もいるでしょう。そこでおすすめなのがロングステイです。短い時間の観光とは異なり、一定期間海外で暮らしその国の文化や生活を知る仕組みです。
源泉そのものは日本に置き2週間以上1か所の海外地に滞在するとしています。基本的に英語圏が対象となる為、必ず望む場所というわけにはいきませんが、海外での生活を知る上では検討に値するのではないでしょうか。
移住先に英語圏をイメージされている方ならば、場所を変えロングステイを繰り返し、移住先を決定する目安にもなるはずです。シニア層のロングステイは「セカンドライフ型」と呼ばれており、健康の促進や維持に効果があるとされています。
やはり異国の地、住み慣れた環境を離れることは心身にとっても良い影響を与えるようですね。完全に日本と離れるわけではないのですから、試さない手はないと思います。
それではロングステイを経験し海外の暮らしも大丈夫だとなった場合、どこの国を選べばよいのでしょうか。勿論、自分が望む場所がベストなのは間違いありません。ただ、移住先として人気があったり、おすすめされたりしている国もあるので参考にしてみてください。
どこの国がおすすめか
カントリーリスクなど様々な要因で人気順位の入れ替わりもありますが、物価が安く英語も通じる国に人気があるようです。日本人の移住先として安定した人気を誇るのがマレーシア。美しいリゾート地として世界中から人気を集めている国ですね。
安定した人気の理由は物価の安さにくわえて、手つかずの自然が残っている点です。また、最長10年までの滞在が可能なビザも魅力と言えるでしょう。公用語はマレー語となりますが英語も多く用いる為、コミュニケーションはしやすい国と言えます。
ヨーロッパの中では2番目に物価の安いポルトガルもおすすめの移住先です。物価の安さも重要ですが、ポルトガルは異国の人に対してとてもオープンな国として知られています。ビザ取得の要件も、何故ここに住みたいのかを重要視する国。公用語は勿論ポルトガル語ですが、英語を話す人も多くいます。
フレンドリーな人が多いベトナムもおすすめの国。アジア圏の中でも経済力の強い国として知られています。近代的な医療体制も整っており、安心して生活のできる環境です。安い物価も魅力の一つ。英語を用いてのコミュニケーションに問題はありません。
まとめ
ここまで、シニアライフを海外で過ごしたい方への準備や心掛けるべきこと、おすすめの国などを紹介しました。確かに海外移住は大冒険、大きな決断が必要となるでしょう。しかしながら、人生は一度きりです。
海外で暮らすことは夢物語でもなく現実的に可能なこと。抑えきれない冒険心があるのでしたら、挑んでみるのも人生の糧になるのではないでしょうか。
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