シニア世代の人は、「最期を自宅で過ごしたい」と考えている人が多いですよね。
でも、最期まで自宅で過ごすには本人だけではなく家族にもかなりの準備や覚悟が必要なことを知っていますか?
この記事では、「最期を自宅で過ごすにはどのような準備をすればいいのか?」ということを解説しました。
高齢の家族を自宅で看取りたい人だけではなく、自宅での看取りを希望している本人も今一度ご確認ください。
「最期は自宅で過ごしたい」という高齢者が多い
「将来、最期は自宅ですごしたいな・・」このように考えているシニア世代の人は少なくありません。
実は、およそ半分の高齢者が自宅で最期を迎えたいと考えているのです。このことから、シニア世代以降の人たちがいかに自宅に愛着を持っているかがわかりますね。
現状は、病院で亡くなっている方が多いのが事実。でも、やっぱり自宅というのは住み慣れていて安心できる場所ですから、その分思い入れもあるのです。
「身体が弱っていても、今の自宅を改修などせずに住み続けたい」という高齢者の方もいれば「今の自宅を改修して、住みやすい状態にしたい」と考える高齢者もいますよ。
同じ「自宅でこれからも過ごしたい」という思いでも、考え方がそれぞれ違うのです。
でも、「最後まで住み慣れた自宅にいたい」というなら孤独死も忘れてはいけない問題。最期まで家族と一緒に暮らすならこのことは心配ないかもしれません。
今、1人暮らしをしているシニアの孤独死が増えています。
子どもがいても、高齢で1人暮らしをしていて孤独死をしているケースがあるのです。
1人暮らしをしているシニア世代の孤独死を防ぐには、自治体の見守りサービスを利用したりスマートフォンの見守りアプリを利用したりする方法がありますよ。
必要なことを相談しよう
「自宅で最期まで過ごす」ということには、残された家族と最期まで離れず一緒に暮らせるというメリットがあります。
しかし、家族に介護が発生したりお互いに気を遣う必要があったりと精神的な不可もかかることを覚えておきましょう。
また、施設に入居している高齢者がいつ自宅に戻るかは、本人だけじゃなく家族のことも考える必要があります。
本人は「自宅に戻りたい」と言っているのに、家族が受け入れ準備ができていなかったら難しいですよね。
看取り介護を始める時期は、基本的には医師が決定します。高齢者の場合、食事が不可能になったときが自宅への移りどきだと言われていますよ。
施設から自宅での看取りに切り替えるタイミングは難しいものです。高齢者が、食欲が衰えて来る現状を家族が受け入れられないなんてことも。
今まで元気な姿を目にしていた分、衰えて行く姿は受け入れがたいものがありますよね。
このことを考えれば、いよいよ食欲が衰えて来る前に自宅に戻った方がいいかもしれません。
高齢者が自宅に戻る時期は、医師や看護師、ケアマネジャーなどともよく相談して、一番良いと思う選択をしてください。
自宅で最期を過ごすための準備とは
自宅で最期を過ごすために、快適に暮らすために。ここでは、具体的な準備を解説します。
- 在宅医やケアマネジャーを見つけよう
- 看取りチームを作ろう
看取りの準備は、家族や本人で自宅での看取りを考えたその時から動くことをおすすめします。
最初に、地域包括センターへ相談に行きましょう。ケアマネジャーの中にも、自宅での看取りに詳しくない人もいます。相談できる人を探すのがおすすめです。また、在宅医も探しましょう。
ケアマネジャーが決まったときに、合わせて在宅医も紹介してもらえるケースもありますよ。
かかりつけ医がいるのなら、「往診はできるのか」「看取りまで対応してもらえるのか」ということを聞いてください。
かかりつけ医がいなくて相談できなければ、市区町村もしくは地域包括センターに在宅医を探してもらいます。
市区町村には、これらのことを相談できる窓口があります。案内の人に「自宅での看取りについて相談したい」という旨を伝えて、窓口を教えてもらうのもいいですね。
ケアマネジャーと在宅医が決まったら、これから自宅でどのような暮らしをしていきたいのか、希望をを伝えます。
そして、在宅医だけではなく専門的な職に就いている人たちで看取りチームを作るのです。そのメンバーは、薬剤師や歯科衛生士、管理栄養士、介護福祉士などです。
看取りチームの人たちは、専門的な知識によって自宅で看取りをするときの心強い味方になってくれますよ。
環境を作って心構えを持とう
看取りチームを作って、自宅で看取れる環境を作ることもたいせつです。しかし、自宅での看取りで大事なのはやはり家族がどう動くか。
何が起こったときに、誰に連絡を取ればいいのかを、ケアマネジャーにしっかり聞いておきましょう。
そして、高齢者本人が落ち着いて生活できる環境作りも必要です。今までと変わらない空間を作ることが、自宅での看取りのポイント。
本人が大事にしているものを身近においたり、お気に入りの曲をかけたり・・。また、時には仲の良い友人と会う時間も作りたいものです。高齢者本人が、寂しく感じないように注意しましょう。
このように、自宅で看取るには家族にも心構えが必要。
看護師や在宅医に、これからどんなことが起こるのか、起こったときにどんな対処をしたらいいのかを聞いておくことで心構えができますよね。
自宅で過ごしていると、家族に負担がかかることがあります。そんな時に、看取りチームが力になってくれます。すべて1人で背負い込もうとせずに、任せられるところは任せるようにしてくださいね。
有料老人ホームに入る選択肢も考えておこう
選択肢として、有料老人ホームに入ることを考えておきましょう。
家族が弱っていく姿を近くで見ていることには、想像以上に精神的な負担がかかります。
肉体的な負担に合わせて、精神的な負担です。そのため、自宅で毎日介護を続けていると追い詰められやすくなります。
精神的にも肉体的にも追い詰められて辛くなる前に、有料老人ホームへの入居を検討するなどして自分も家族も守ってくださいね。
このブログでは、サービス付き高齢者向け住宅のメリット・デメリットも書きました。
この施設は、基本的には介護を必要としない自立した高齢者向けの住宅です。
しかし、こちらの記事で介護付き有料老人ホームとの違いを比較しているので合わせてご覧ください。
まとめ
自宅で家族を看取るには、いろいろ準備が必要なことが分かりました。
- 最期を自宅で過ごしたいと考えている高齢者は多い
- 家族で必要なことを相談しよう
- 自宅で最期を迎えるには、どんな準備が必要なのか知っておこう
- 環境作りや心構えを持つこともたいせつ
このように、自宅で最期を迎えるのにはそれなりの覚悟が必要であることが理解いただけたかと思います。
もし、シニア世代ご本人の方がなんとなく「最期は自宅で過ごしたいなぁ」と思っているのなら、家族にも負担がかかると知っておくことをおすすめします。
周りのいろいろな人と相談もして、お互いにとってベストな方法を選べるのが良いですね。